それでいいんだよ
『情熱大陸』の熱心な視聴者は日本の国内だけでなく、海外にもいらっしゃいます。
人に頼んで番組を録画してもらったDVDを、数ヶ月ごとに日本から送ってもらって楽しんでいるというのは、フランス・パリ在住の男性・藤川泉さん(仮名)、34歳。日本にいた頃に取得した整体師の資格を生かしてマッサージ師として働きながら、現在は、エステティシャンの国家資格を取得するための勉強も なさっています。
フランスに住むきっかけは、十年前にロンドンに旅行をした際にパリまで足を伸ばしたこと。ふと訪れた街並みの優雅さや、そこで生活するフランスの人たちの気質に魅力を感じた藤川さんは、翌年もパリを再訪。さらには留学そして就労まですることに。
それほどまでにパリに惹きつけられた理由はいったいどこにあるのでしょう。
「フランス人の気風が好きなんです。彼らは感情を殺さない。すごく人間的なんですね。自分が悲しかったら泣いてるし、可笑しかったら笑ってるし、イヤだったら怒ってるし(笑)。でも、どこかカラッとしていて。すごく本能に近いところで生きている。それを社会全体が『それでいいんだよ』って認めている雰囲気があるので」。
留学した当初はアルバイトとして旅行ガイドも務めたという藤川さん。パリを訪れる観光客にはリピーターやマニアの人が多く、フランスの歴史や芸術、スポーツなどについてもそれ相応に勉強したとか。だからでしょうか、よく響く、高く透き通った声の説明にはなかなかの説得力があります。もちろん、自身がフランス人の魅力に心底惹かれている、というのもあるのでしょう。
幼い頃は両親が共働きで忙しく、なかなか一家揃って時間を過ごすことのない家庭に育ちました。そのせいか、現在、フランスで良きパートナーと巡り会ってからは、二人で過ごす時間を大切にすることを生活の中心に置くようにしていると言います。
ただ、そのパートナーは男性なのです。
パリでは市民権を得ているゲイ・カップルも、日本に帰ればまだまだ一般的に認知されている関係とは言いがたく、訝しい目で見られることも少なくありません。そのため、泉さんは故郷の両親に、まだその事実を告げることができないでいます。一方で、市民連帯協約と呼ばれる届けを現地に提出し、社会的にも認められたカップルとしての生活を始めてから早5年が経ちました。「何とかして両親に報告するのが、今後の課題」と、この時ばかりは声が少し小さくなったようでした。
「『情熱大陸』では、いろんな人にいろんなゴールがある。何か一つの道を決めて、そこに到達しようとしている人たちを見ると励まされます。『じゃあ、自分のゴールは何なんだろう』っていう風に。今の僕のテーマは、パートナーといつも一緒に居て、ありふれた生活を送ること。それは、何かを成し遂げた人たちと比べると、小さなことかもしれないですけど…。でも、僕にはそれがすごく必要なことなんです」。
さて、番組スタッフの皆さん。
放送から何ヶ月も遅れて届く録画DVDを楽しみにしている番組ファンがいるなんて、ご存知でしたか。そんな人たちの「小さなゴール」「ありふれたゴール」だって立派な人生です。素晴らしいゴールです。ここは一つ、番組作りを通じて、日本からも『あなたの人生、それでいいんだよ』ってエールを送ってみませんか。
5月 29, 2009 みんなの情熱大陸 | Permalink
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コメント
>人に頼んで番組を録画してもらったDVDを、数ヶ月ごとに日本から送ってもらって楽しんでいる・・・
わたしもその一人です。
生活のベースを北京においています。
母にお願いして、毎週録画してもらい、DVDを送ってもらったり、日本に帰国したときにまとめてみています。
各分野で活躍する方々の姿勢から、いつも元気をもらっています。ちょうど最近ブックディレクターの幅さんの録画分をみて、大変刺激をうけました。これからも楽しみにしています!
投稿: yoko | 2009/06/22 11:10:11