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2008年8月29日 (金)

きのうの化石、あすの風



 探そう、見つけようと思わないと化石は目に入ってこない――。そう彼女はいいます。しかし探せば必ず見つかるものでもない。だからこそ、叡智を尽くして仮説を立てた末に果たして化石を見つけたときの喜びは何ものにも替えがたい、と。

 京都大学で魚の化石をテーマに研究している大学院生、入江美沙さん、24歳。ピンと背筋を伸ばし、真っ直ぐに相手の目を見て話す姿が印象的です。

「高校生の時分から、いつも番組を楽しく拝見させていただいております。情熱大陸を見ていると、(化石などを研究する)地質学者にもこういった情熱と気概に溢れた人は多いなあと思うのです」。

 そんなメールをいただいて調べてみると、どうやらまだ『情熱大陸』には化石の研究者は登場していないようです。化石という言葉に好奇心をくすぐられ、その研究の魅力についてお話を伺ってみることにしました。

 香川県観音寺市の出身。中学の頃から自然科学に興味を持ち、地元の高校では理数科に進みます。その後、京都の大学に進み、卒論のテーマに選んだのが魚の化石でした。

 以来、化石の魅力にとり憑かれ、「さらに研究を」と京都大学大学院に進学。研究熱心のあまり、魚を食べるときにも思わず骨格などが気になり、友人には「そんなにじろじろ見ながら食べると美味しくないよ」と窘められる始末だとか。いやはや、入江さんご自身の化石に対する『情熱と気概』も相当のものです。

「化石を掘り起こした瞬間には、その化石を見たことがあるのは世界に自分ひとりだけなんだ。そう思うとワクワクする」

 何十万年から何千万年、ものによっては1億年以上もの間眠っていた地球の記憶を、ひとつひとつ自分の手で見つける興奮。現れた化石を目の前にしたとき、どんな人類も知らなかった歴史の一部分が自分の手の中にあるように思えるところ。それが化石発掘の醍醐味なのでしょう。

 そんな入江さんは、高校生のときからの熱心な『情熱大陸』ウォッチャーでもあります。なかでもセンター試験受験を翌週に控えたときに見た『SMAP・草彅剛篇』の放送は忘れられないものだとか。緊張感が一番高まっていた時期に、一流タレントと呼ばれる人でも地道に頑張っていたり、悩んだりする姿を見て感銘を受け、励まされたような気持ちになって受験に臨んだのだそうです。

 ほかには『左官・久住有生篇』、『漫画家・西原理恵子篇』など、意外にもヒューマンで個性派な人物がお好きなようです。「ああ、こんな職業があるんだとか、こんな人がいるんだとか思うような回も好きですね」と話す入江さん。番組を通じて未知なものを探し当てた喜びは、化石を見つける楽しさにも通じる何かがあるのかもしれません。

 目下、卒業研究に忙しい入江さんですが、来年には石油会社への就職が決まっています。環境に優しい新しいエネルギーの開発などにも力を入れている業界のこと、大学で培った知識を活用した研究に進むのかと思えば

「実は風力発電の研究がしてみたいっていう野望があるんです(笑)」。

 自然科学を学んだ経験を今の社会に還元するためには、未来に役立つ分野の研究がしたい、とのこと。過去の軌跡を追うのはあくまでも輝く未来を探すため、といったところでしょうか。若き研究者のスケールの大きな『情熱と気概』からは、『情熱大陸』も学ぶことがたくさんありそうです。

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8月 29, 2008 みんなの情熱大陸 |

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